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3/21 HARUコミ(東京) 発行!

『 ゆきむすび、ころりん。 』  小説(戦国) P36 400円
 
オフセット本 ダテ×サナ せいじん指定

表紙 フルカラー アートポスト・PP加工 (表紙絵:まーる様)


あらすじ・・・

小十郎が食べていたおむすびから赤い実がころりん・・・
その実はなんと幸村に変化した!!
だが、その身体は一寸サイズだった。
最初は小十郎にしか懐いていなかった幸村だったが、何とか餌付けに成功(笑)した政宗。
そんな小さくて可愛い幸村が政宗の周りをチョロチョロ・・・という可愛い話・・・のつもりです(爆)
オリキャラのお年寄りが結構出張っています;
そして佐助は頑張って主の為に奔走しております←今回も(笑)
そんな異色な戦国(半分パラレル)ファンタジーですv

↓ は、さんぷるですv


※ 画面上で読みやすくする為に本文の改行を本誌と変えてUpしてあります。

********************************

「あ~もう、本当に何で!普通じゃあり得ないでしょ!!」
 

佐助は胸元を押さえ、文句を言いながら一心に樹々の間を走り、森を抜る。
普段は通らない山道を走り、崖際ギリギリの所を走り抜けようとジャンプした時、背後から気配を感じ、佐助はその場から飛んで間合いを取る。
佐助の背中に襲いかかってくる、何者かの気配の攻撃を寸での所でかわす。
 

「おっと・・・何も・・・へっ?」
 

振り向いて、攻撃してきたヤツに向かって誰だと睨む。その正体が分かると佐助は間抜けな声を出す。
物凄いスピードで襲ってきたものの正体は何と、鷹だった。
 

「な、なんで?」
 

佐助は辺りを見渡すと、目に見えたモノにハッとする。
崖の横から生えている木に鷹の巣があり、そこには生まれたばかりの雛がピィピィと鳴いていた。
 

「げっ!」
 

どうやら自分は鷹の巣に近づき過ぎて、雛に何かする悪い奴として親鷹に敵と見なされたらしい。
 

「ちょ、ちょっと待って!俺様何もしないから、ここをちょ~と通らせてくれたらいいから!!」
 

攻撃から逃がれながら、佐助は必死になって鷹を説得していたが、そんな言葉が通じる筈もなく、鷹は容赦なく佐助を襲う。
 

「うわっ!」
 

鋭い爪から逃れようと背中を反らしたら、鷹の爪が佐助の胸元を掠る。すると。ポロッと胸元から赤い実が落ちてしまう。
 

「あっ!!」
 

落ちていく実を慌てて受け止めようとするが間に合わず、赤い実はスーッと崖に、吸い込まれていくかのように落ちていく。
 

「しまった!」
 

佐助は何の躊躇いもなく崖から飛び降りると、その実を追いかけていき、後もう少しで赤い実に手が届きそうな所で手を伸ばす。

 


ピーーーーー・・・・


パクリ。

 

「あーーーーーっっ!!」
 

寸での所でトンビが飛んできて、口ばしで赤い実をキャッチして綺麗に旋回すると、その場から飛び去って行ってしまう。

 

「うっそーーーー!!」
 

***(略)***
 

「今年も本当に良い米が収穫出来て、本当にようございましたな、政宗様」
「そうだな。いつきや村の皆に感謝だな」
「その通りでございます。この味を毎年味わえるように、食べ終わったらしっかりとご政務に励んで下さい、政宗様」
「おいおい」
「ほとんど片付いていないように、お見受け致しますが・・・」
 

お茶を飲みながら小十郎がそう言うと、政宗はバツが悪そうに顔を顰める。
 

「お、この漬物も美味いじゃねぇか」
 

何とか話を反らそうと、政宗は小十郎が漬けた漬物を褒める。
 

「当たり前です。私が育てた野菜で、私が漬けたんですから」
 

さも当然、と言う感じで軽く交わされ、政宗はチッと軽く舌打ちをする。
 

「先程お渡しした物、全てにお目をお通しして頂かない限り、本日はこの部屋からお出になるのは・・・んっ?」
「どうした?」
「いえ、このおむすびはただの塩のみで握られた筈なのですが・・・中に何やら赤い物が」
「梅干しじゃねぇのか?」
「それにしてはちょっと丸くて、小さすぎるようですが」
「貸してみろ」

政宗は眉間に皺を寄せて、小十郎が持っているおむすびを奪い取ると、中に入っている赤い実を取り出す。
 

「政宗様!不用意に得体の知れない物に触れては!!」
 

小十郎が慌てて政宗の手からその実を叩き落とすと、その実は畳の上にトーントーンと飛び跳ね、コロコロコロと転がり、ピタリと止まる。
転がる赤い実を政宗と小十郎はジッと見ていると、小刻みに実が震え、それからゆっくりと上下に揺れ始める。
政宗が側に置いてある刀を手に取ると同時に、小十郎が政宗を庇うように立ち塞がり、刀に手を掛ける。
 

「政宗様、御下がり下さい!」

「おい!」
 

実を切ろうとした瞬間。


ポンッ!!


「なに?!」

「なんだ!」
 

実が弾けるように破裂した。

 

くるん。

何かが一回転する。

 

タン!

畳の上に着地する。

 

「お、お前・・・」

 

ゆっくりと動き、茶色い頭らしきものが動き持ち上がる。小十郎とそれの視線が合った瞬間、それは二コリと微笑む。


弾けた赤い実は、約一寸くらいの大きさで茶色い髪の毛に後髪だけ長く、額には赤いハチマキをして、赤い戦装束を身に纏っていた。


「真田・・・」

「幸村ぁ?!」

 

 

小さいが、それはどこから見ても真田幸村だった。




~続きは本文にて~
 

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